キノコと、好奇心というパスポート

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キノコと聞けばほとんどの人がこのようなのをイメージすると思います。

赤色もしくは茶色の帽子があってその下に茎がある、傘のような形のキノコ。

しかし、これだけがキノコではなくて

キノコ細長

珊瑚の形をした Coral Mushroom

white angel

クラゲのようなぷるぷるした感触の Angel Wings (Edible)

などなど、バラエティに富んだ種が至るところで見られます。

電波圏外だったので正確な位置はわかりませんが、キノコハンティングをしたのは全長70kmほどのSnoqualmie川の中流辺りです。

スノコルミー川

すのこ3種

川岸はbug(小さい虫)だらけだったので一瞬で引き返しました。

森で野生のキノコに初めて触れてみて興味が出たので後日、North Seattle Collegeでの「キノコの展示会」に友人と参加しました。


Mycologyという学問体系

今回参加したのはPuget Sound Mycological Societyという団体のイベントで

“Mycological “は “Mycology”という名詞の形容詞です。

これは日本語では、「菌類学」という日常ではまず聞かない単語に翻訳されます。

つまりキノコをはじめとする菌類全般の学問体系がMycologyです。

Puget Soundはワシントン州北西部の入り組んだ湾のことで、太平洋へと繋がっています。

puget sound

カナダから続く太平洋岸北西部は降水量が豊富でキノコの生育に適しています。場所によっては松茸(英語でもMatsutake, Pine mushroom)も生えるらしいですが、現地の人いわく皆んなその在り処は秘密にしたがるそうです。

ところで、Bakamatsutake(学名もTricholoma bakamatsutake)というやや可哀想な名前の品種が日本にいることを最近知りました。

経済価値も高く、本家の松茸を凌ぐ可能性があるようです。

「バカマツタケ」、バカにできない本物並みの味 人工栽培に成功


幸運を呼ぶキノコ

ヨーロッパでは古くから幸運を呼ぶと信じられているキノコがあります。

それがこの種、Amanita Muscaria(和名:ベニテングタケ)です。

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小さい頃に絵本とかで見たことありますよね。

古くからヨーロッパで幸運を呼ぶキノコとして切手やポストカードに使われてきた歴史があります。

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また、日本人に馴染み深いあのゲームにも

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WHAT KINDS OF MUSHROOMS ARE MARIO AND LUIGI EATING?

マリオの「スーパーキノコ」そっくりのキノコは実在した

ベニテングタケは毒成分を含んでいるので大量に摂取すると中毒症状や死に至りますが、一部の地域では塩漬けにするなどして毒を緩和してから食す文化があるそうです。


Mycodeltiology

これは造語というか、検索しても市民権を得ている単語ではなさそうですが、

Mycology と Deltiologyの合成語だそうです。

Deltiology の定義は the collection and study of antique and modern postcards.

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つまり、キノコが描写された絵葉書や切手に関する学問がMycodeltiologyです。

例えば、、

下の写真は1948年に発行された「アルコール専売10年」の記念切手で、エタノールの化学式、蒸留塔、左右の葉はアルコールの原料に使う「さつまいもの葉」を表しています。

じゃぱん

個人的にかなりカッコいい切手だと思います。

探したところ日本郵便趣味協会のオンラインショップで買えるようです

日本郵便趣味協会/記念特殊切手/アルコール専売10年

展示会では「世界で初めて菌類が描写された切手」として紹介されていました。

展示ボードの”CAN YOU SEE THE FUNGUS ON THIS STAMP? “(切手の中に菌類があるのが見える?)のサインを見て

「え、Fungi?どこ?」と目を凝らして5分くらい友人と探していましたが、どこにあるかわかりますか?

おおお

答えは、、

この蒸留塔の中の直径5μmの出芽酵母(菌界:Fungi の Saccharomyces cerevisiae)のことです。

はい、見えるわけがありません。もし見えてしまったらあなたは顕微鏡です。

学問と呼べるのかはわかりませんが、キノコと葉書を繋げたMycodeltiologyという概念自体はとても興味深いですし、カードや切手の中でも控えめながら存在感を示しているのがキノコらしさであり魅力だと思います。

切手を滅多に使わない世代だからこそなのか、渋くて古風な切手にも魅力を感じます。


Mushroom Show

展示会では専門家によるレクチャー、試食コーナー、栽培キットショップなどがあり家族連れや学生など老若男女が参加していました。

メインの展示スペースでは200種類以上のキノコが緑/黄/赤のラベリングをされて並べらていました。

緑:Edible(食べられる)

黄色:Unpalatable, Unknown, or Untested (美味しくない、または不明)

赤:Poisonous (毒キノコ)

そして、それらのほとんどが黄色ラベル、つまり毒キノコなのか口に合うかどうかも現段階でわかっていない種です。

ごついきのこ

きのこくん

もしかしたら松茸よりも美味しい香ばしいキノコがこの中にあるかもしれないと思うとワクワクします。

その他にも「キノコのことなんて1mmも知らない」という人までをも惹きつける工夫があって、例えば。。

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毒キノコを食べるとどうなるのか、そもそもなんで毒を持ってるのかを聞くと、分厚い本を開いて丁寧に説明してくれました。メモ片手に必死に聞き取りました。

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傘の裏がスポンジ状のキノコは拡大すると蜂の巣のような構造になっていました。

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“Haunted Mushroom House” の Bioluminescent mushrooms

額縁

絵画やその他手作りの美術品

っっっb

パン

料理コーナーは一番人気でChanterelle(シャントレル)、ポルチーニ(Porcini)、松茸を味わえました。

文字通りほっぺが落ちる美味しさです。

最近知ったばかりの大和言葉で表現すれば「舌鼓を打つ」です。


ほとんどのキノコの図鑑には写真と特徴の説明がありますが、似通った種が多いです。

また、同種でも色や形には個体差があり時間の経過によってそれらも変わるので、初心者が見分けるのは本当に難しい。

この間、寮の近くに生えていたキノコをソテーにして食べましたが、調べるのに結構な時間がかかりました。なんとか調べてみて2種類まで候補を絞り込みましたが、毒がないとわかっただけで、結局何という種類かはわかりませんでした。

見分けられるようになるには訓練が必要ですね。

キノコ狩りに誘われた時は、キノコにさほど興味はなかったけれど(最近まではほとんど食べられなかった)、キノコ狩りや今回の展示会を通してキノコを様々な角度から見る視点のフィルターが豊かになったと感じています。

キノコに対する「不思議、未知」という好奇心が

「知りたい、見たい、食べてみたい」という感情(興味)に発展した。

やはり、どんなことへも好奇心を抱けられるのは人間だけが持つ特権なんだなあ、と思います。

外国語の習得で言えば、新しい言葉や馴染みのない概念に気付いた時に「なんで日本語の翻訳としっくりこないんだろう」「なんでそういう言い回しになるのか」「〇〇に関してもっと工夫はできないのか」と立ち止まって考えることが重要で、

こういうような好奇心が、「ただ機械的に読んだり聞いたりする繰り返しの学習」から「回数を重ねるごとに発展する主体的な学習」に到達するためのパスポートだと考えています。

昔から「色んなことに興味を持ちなさい、そうすれば見える世界が広がるから」とよく言われたり聞いたりしてきたけれど、とっても抽象的なその意味が3年前よりも3ヶ月前よりも少しづつですが実感をもって分かるようになってきました。

スティーブ・ジョブズの言葉を借りるなら、色んなことに興味を持つことは「将来のどこかと繋がる点を養うこと」とも言えると思います。

steve

“You can’t connect the dots looking forward; you can only connect them looking backwards. So you have to trust that the dots will somehow connect in your future. You have to trust in something – your gut, destiny, life, karma, whatever. Because believing that the dots will connect down the road will give you the confidence to follow your heart even when it leads you off the well worn path; and that will make all the difference.” -Steve Jobs

〜〜「将来をあらかじめ見据えて、点と点を繋ぎ合わせることはできません。後で振り返って、点の繋がりに気づくのです。今やっている事が将来のどこかに繋がると信じてください。根性、運命、人生、カルマ、何でもいいのです。その点がどこかに繋がると信じていれば他の人と違う道を歩いていても自信を持って歩き通せるからです。そして、それが人生に違いをもたらすでしょう」〜〜

では今回はここまでで、

ありがとうございました。

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